フリーランスの記事を書き始めました(財布を分ける)
来店者様のリアルなご質問にお答えしたい
コワーキングスペースakeruto名張をオープンして約1年、会員様はもちろんお問い合わせの方の中には相当数”フリーランス”(個人事業者)の方がいらっしゃいます。
法人様とはまた異なったご質問やお困りごともあり、これまでお聞きした中で、記憶に残っていたり実際にお手伝いしたことを取り上げていこうと思います。
それで最初のテーマをどうしましょうか?
「開業届はどうやって手に入れるの?」「簿記の知識っていりますか?」など
これからフリーランスになられる方は不安な点が多数あると思いますし、立ち上げる中、立ち上げている最中でもどんどんお困りごとが増えてきますよね
ということで、お伝えして反応が良かった中からまずはひとつ
「事業用の財布を用意して個人と分ける」
最初の記事テーマは”財布”です!
個人事業は”事業”ですから、事業としてのお金の出入りをしっかり把握することが後々重要です。
筆者も法人を3つ、個人事業を1つ経営していますが、若い頃に立ち上げた会社はお金の管理が杜撰だったため、20年近く経過してもその時の金銭処理が原因で未だに苦労しています。
できるだけ早く、できれば最初から個人と事業のお金は切り離してしまうことが、法人成りした場合にもプラスに働くのではないでしょうか。
”財布を買う”と書きましたが、文字通り財布そのものも指しますし、帳面やクレジットカードもあったほうが良いです。
まずは100均の財布でもOKかな?
これから事業を始めるのでついつい気合を入れて高い財布を購入するのも気分がアガっていいものですが、「きっちり稼げるまではコストダウン派」の方は、100均で300円くらいのお財布を準備しましょう。ダイソーなどの大型店であれば種類豊富です。もちろん、100均は極端な例ですので数千円でも良いとおもいますが。私はダイソーの300円財布を使っています。
*ダイソーの回し者ではないのですが、こと財布に関しては(2022年段階)では一番種類が多いと思われます。
個人の財布から1000円札を出して100均に赴こう(大型店がベター)
自分の財布から1000円を出して握りしめたら、なるべく大型の100均(個人的にはダイソー)に向かいます。
ポイントは財布から出した1000円を握り占めるところです。これは個人の財布(お金)から事業の財布(お金)へ金銭を移動したという行為とイメージして欲しいからです。
あと、次のものを買うのがおすすめです。普通はご自宅にあるでしょうから、あれば買う必要もありません。
- A4判ノート(40枚仕様)
- ノリ(消えいろなど)
- ボールペンや鉛筆
そして領収書を貰って、それを買ったばかりの財布に入れてしまいます。個人事業として最初のお買い物とその証拠(証ひょう)です。
お釣りを事業財布に移してみる
お店を出たらお釣りを事業用の財布に移しましょう。個人の財布に戻さないでくださいね(笑)
帳面を書いてみる
買ったばかりのA4判ノートを開いて、下記のように書いてみましょう。
〇月〇日 現金1,000円 事業主借1,000円
意味:(事業は)個人の財布から現金を1000円貰って増えた、理由は事業主から借りたから
〇月〇日 事務用品費 550円 現金550円(XX100均 XX店)
意味:事務用品を550円分現金で払った(購入店舗の記録も残しておきます)
複式簿記の仕訳がわからないときは
上記のような書き方は複式簿記の仕訳(しわけ)といいます。苦手イメージを持つ方も多いと思いますが、「個人事業 仕訳」と入力して検索すると様々なパターンが説明されていますので、そのまま真似をして書いてもらえれば大丈夫です。
注意することは、同じ取引でも書き方が異なるケースがある場合、同じパターンで書き続けることです。例えば、ノートやのり・ペンを事務用品と書いたならばずっと事務用品としましょう。
領収書(証ひょう)を残す
上記の買い物をしたことを証明できないと決算や確定申告の時に困ります。事業の基本は証拠(証ひょう)を残していくことです。
これはアナログでもデジタルでも同じことになります。
先ほど100均で入手した領収書をA4判ノートの反対側から糊で貼り付けます。
ポイントは1月ごとにページを変えていくことです。
紙の証ひょうを残すのはクラウド会計なら不要かもしれませんが、仮に税務署で手続きなどをしたり相談をしたりすることがあるなら、今の段階だと紙の資料もあったほうがベターだと考えます。
ノート1冊で1年をイメージ
事業が小さいうちは、ノート1冊40枚程度で、帳面を書いて領収書を貼っても概ね1年分使えると思います。管理や持ち運びも簡単です。もちろん表計算アプリを使って計算式を入れるスキルがある方であれば、そちらに帳面は入力していきましょう。(バックアップは忘れずに)
とくかくすぐ整理する癖をつけよう
ノート(または表計算など)と証ひょうの整理を後回しにすると、手間が数倍に増えることがありますから、動きがあった日は毎日、お金の動きが少ない個人事業の方なら特定の曜日や日付を事務作業日として決めてしまえばトラブルも少なくなります。本業に集中するためにも、このような作業は意識しなくてもできるように癖をつけていくと楽になります。
1日分であれば数分もあれば終わってしまいますので、面倒くさがらずにワークフローに組み入れてしまいましょう。
クラウド会計が便利
毎月のコストは必要ですが1000円前後のクラウド会計を導入すると手間をさらに減らすこともできます。帳簿の計算や取引の仕訳が面倒だったり苦手な方は導入する価値は十分あります。個人的におすすめなのはfreeeです。
続けることが重要
事業は継続していくことがとても重要です。そのためには信用が必要ですよね。信用は人、サービスや製品、そしてお金です。お金はついつい後回しになりがちですが、それだけにいざというときに困ることにもつながりますから、まずは財布を用意して、個人と事業のお金を物理的に分けてみるのはどうでしょうか?
次回はクレジットカードに言及しようと思っています