第二回 フリーランスと銀行口座
来店者様とのリアルなお話から始まる
前回と同じ書き出しですが、コワーキングスペースakeruto名張をオープンして約1年、”フリーランス”(個人事業者)の方とお話しした中で、記憶に残っていたり実際にお手伝いしたことを取り上げていこうと思います。
ただしあくまで専門家ではなくコワーキングスペース管理人としても一般的な意見ですので、誤りのある部分も多分にあると思われますので参考程度でお願いいたします。
さて、第二回目のテーマは
銀行口座にします
前回「クレジットカードにします」と書いたのですが、先に銀行口座を決めるべきだと気づきました。
*開業届の手続きは終わっていることとします
なぜならクレジットカードの引き落とし口座に事業性口座を設定したいからです。
ですから先に銀行口座を作ってしまいます。
ネット銀行のみはお勧めしません
これからフリーランスになられる方なら「この時代ネット銀行でいいじゃん!」と思われることもあるかもしれませんが、2022年の段階ではお勧めできません。
借入金の返済や事務所の家賃、事業性のある会費などはネット銀行を対象としていないケースが多くあるからです。一般的な銀行口座の開設もあわせて行うことをお勧めします。
またクラウド会計と連携できる銀行を選んでおくのを強くお勧めします
都市銀行&ネット銀行
個人的な結論から言いますと、都市圏またはそれに近いエリアなら都市銀行とネット銀行の組み合わせ、もしくは都市銀行一本でもよいと思います。取引先の多くは都市銀行の口座を持っていることが多いでしょうし、地方のフリーランス同士の取引などであればネット銀行が便利です。思い切って4大銀行のひとつに集約してしまってもネットバンク機能が充実しているので、ひとまず問題ないと思います。
これは、あまり銀行口座を多く持ちすぎると、ひとりで運営するフリーランスとしては管理が面倒になるのが理由です。お金の出入りを見るべき口座を絞るほうが最初は楽です。
ただし営業製個人としての開設に際して厳しくチェックするケースもありますので、口座開設を断られる可能性も十分考えられますし、地方では運用が難しくなります。
地銀(信金含む)&ネット銀行
地方で活動するフリーランスは地銀とネット銀行の組み合わせが手軽です。
といいますか、akeruto自体もそうですが、名張市(伊賀市も・・・)というか三重県そのものが、都市銀行の支店が無いかあっても津あたりまでいかないとありません。下手をすれば三重県にすらなくて一番近いのが名古屋や大阪になりかねません。そうなると口座開設すら面倒ですし、何か相談となった場合に店舗まで赴くのはかなりの負担となります。
筆者も変更手続きのため、2時間以上移動して手続きをせざるを得ないという目にあったこともあります。
また上にも書きましたが、事務所の家賃や事業性のある会費の引き落としては地方銀行や信用金庫に限られているようなこともあります。事業性の保険料引き落としのためだけに、地方銀行の口座を作らざるを得ない状況になったことがあります。
akerutoに限定した話をするのであれば、三十三銀行か百五銀行、もしくは北伊勢上野信用金庫になると思います。(いずれも名張・伊賀に支店が一つ以上あるため)akerutoは月額利用料の低い三十三銀行を利用していますが三重県内取引が多い方であれば県内支店数の多い百五銀行のほうが良いかもしれません。奈良エリアとの取引が多いなら南都銀行という選択肢もあります。(akerutoの目の前)
ただ作りすぎると管理が大変になりますし、クラウド会計と連携するために支払う月額利用料が口座数分嵩みますので可能な限り最初は少なく、できれば1つにすることをお勧めします。
ゆうちょは少し特殊
ゆうちょはネットバンクの手数料も安く、屋号付きの口座も作れますが少し特殊です。
まずフリーランスも立派な事業ですから投資が必要になることもあるかもしれません。そんな時に借入先に銀行や公庫をつかうこともあると思います。
その場合、ゆうちょ銀行が使えない(または使ってほしくない)というようなケースもあります。
私も事業資金借り入れの際、「ゆうちょは使えないことはないが他の銀行がありがたい」と言われたことがあります。
また振替口座となるようですので、取り扱いが少し難しいかもしれません。
ネット銀行
手数料が安くフリーランス同士のやりとりのためにひとつは用意しておきましょう。
相手先が法人の場合でも口座を持っている会社様も多くなっています。
住信SBIネット銀行かPayPay銀行(旧ジャパンネットバンク)が使いやすいイメージです。いずれかに口座を作っておけばひとまず困ることはないかと思います。楽天銀行は楽天で出店をされているなら致し方ないですが、クラウド会計のfreeeでAPI連携ができなくなったため候補から外しました。
最初は口座開設はできるだけ少なく
事業を始めたばかりの時は、ついつい嬉しくなっていくつも口座を開設したりクレジットカードを作ってしまったりするかもしれませんが管理が面倒になるだけです。取引先がどうしてもというなら致し方ないですが可能な限り口座を少なくしましょう。ネットバンク機能が充実した都市銀行(例:三井住友銀行など)に集約が理想ですが、地方では運用が難しいため、地銀(信金含む)&ネット銀行で2口座ぐらいに収めるほうが最初は良いと思います。
また法人成をした場合、融資などの場合に近くに支店があるほうが動きやすくなります。
次こそはクレジットカードについて書いてみようと思います